■更なるCO2排出量削減に加えて、停電などの非常時も確実に電力を確保
DICは6月1日、合成樹脂を生産する千葉工場(千葉県市原市)において、既存のコージェネレーションシステム(熱と電力の併給設備、以下CGS)が老朽化したことを受け、より効率的なエネルギー供給とそれに伴う二酸化炭素(CO2)削減を目的に、ガスタービン式の最新機種に更新したと発表した。同設備は、非常用発電機の機能も担うため、全停電時でも始動できるという特徴も有している。なお、稼動は4月から開始しており、これにより、2017年の千葉工場でのCO2排出量約3%削減、グループ全体では約0.3%削減(2016年比)を目指す。
CGSは、ガスや重油などを燃料とし、タービンやエンジンによる発電を行うとともに、その際に発生する排熱も有効に活用することで、効率的にエネルギーを供給するシステムの総称です。CGSはエネルギー効率が非常に高いため、省エネルギーやCO2の排出量削減に寄与する。
同工場では、1998年に初めてCGSを導入し、全量を購入電力で賄っていたそれ以前よりも、年間のCO2排出量を約2000t削減してきた。今回も従来同様にスチームでの熱回収が可能なガスタービン式を採用したが、エネルギー変換効率(電力・スチーム)が高い最新設備を導入することで、更なるCO2削減を実現した。また、外部電源がなくとも稼動可能な非常用発電機としての機能は、工場の保安防災用電力をカバーする3000kWh以上の能力を有している。
DICグループは、『温室効果ガスの排出量(絶対量)を毎年1%削減』を目標に掲げ、CO2削減に取り組んでいる。今回のようなエネルギー効率に優れる設備に加え、木質バイオマスなどカーボンニュートラルな燃料の導入、また、各事業所での節電の取り組みなどを通してこの目標を達成し、サステナブルな社会の実現に貢献していく。