・全世界のニンラーロの需要に対応できる自社生産能力を獲得
・原薬、製剤、包装、品質管理の全てを一つの製造施設内で実施
・2018年度後半に稼動開始の見込み
武田薬品工業は6月1日、武田薬品工業のアイルランド工場(所在地:アイルランド ダブリン州グランジキャッスル)に多発性骨髄腫治療剤「ニンラーロ(R)」(一般名:イキサゾミブクエン酸エステル、以下「ニンラーロ」)の新たな製造施設を建設するにあたり、起工式を実施したと発表した。
今回の武田薬品工業の新製造施設への投資については、アイルランドのMary Mitchell O’Connor 雇用・企業・イノベーション大臣が2016年12月に既に公表している。全世界に向けたニンラーロ製造の役割を担う高度密閉の新棟建設により、武田薬品工業のグランジキャッスルサイトにおいて製造施設が拡張することとなる。今回の投資により、今後2年間で約40名の新たな雇用が創出される。
武田薬品工業Global Manufacturing & Supply OfficerのThomas Wozniewskiは、「アイルランドのグランジキャッスルにおける新製造施設の建設は、武田薬品工業の戦略的投資の一環です。これにより、武田薬品工業の革新的な医薬品であるニンラーロの需要増加に対応できる重要な自社生産能力を獲得することができます」と述べている。
新製造施設の建設は、2017年6月に開始され、投資額は合計で4,000万ユーロ以上となる見込み。新製造施設は2018年度第2四半期に完、同年度後半の稼動開始により二次包装製品を出荷する予定。
新製造施設は、原薬、製剤、一次および二次包装、品質管理の全てを一つの製造施設内で実施する点で特徴的。
ニンラーロは、2015年11月に米国食品医薬品局(FDA)より販売許可を取得した。本剤は、米国で発売された、前治療歴のある再発・難治性の多発性骨髄腫に対する初めてかつ唯一の経口プロテアソーム阻害剤であり、プロテアソーム阻害剤をベースとした全て経口の3剤併用レジメンを可能とした。また、本剤は2017年3月に厚生労働省から製造販売許可を取得し、再発又は難治性の多発性骨髄腫に対するレナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用を適応症に、日本で最初の経口プロテアソーム阻害剤として同年5月に発売された。
さらに、ニンラーロは、欧州委員会から販売許可を取得しており、武田薬品工業は、世界各国の規制当局に本剤の販売許可を申請中。