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プライメタルズ、ブラジルCSNよりスラブ連続鋳造機の近代化受注

ニュースリリース

プライメタルズテクノロジーズは6月1日(ロンドン)、ブラジルの鉄鋼メーカーであるナシオナル製鉄(Companhia Siderurgica Nacional、以下CSN 社)より、ブラジル・リオデジャネイロ州ボルタレドンダ市の同社製鉄所向けに既設スラブ連続鋳造機3基の近代化工事を受注したと発表した。近代化工事は2018 年後半の定期休止期間を予定し、試運転は2018 年の第3四半期を予定している。

CSN 社は、ブラジルのリオデジャネイロ州ボルタレドンダ市に本社及び同社の最重要生産拠点をおき、年間生産能力560万トンを有する銑鋼一貫生産複合施設を運営・操業している。

連続鋳造機の2号機(No.2 CCM)および3号機( No.3 CCM)は同一の設備仕様で、幅810 .1,650㎜、厚さ255㎜の炭素鋼のスラブを鋳造し、年産能力は各々180 万トン。稼働開始は、それぞれ1982 年6月と1983 年6月で、このうち3号機は、プライメタルズテクノロジーズが既に近代化改造を行っており、それ以来、同社サービス部門は長年にわたりCSN 社のメンテナンスパートナーとして同工場のスラブ連鋳機を担当し、工場現場に約200 名の従業員を配置している。

現在のスラブ連鋳機の2号機(No.2 CCM)には、電気機器、測定機器、オートメーション機器にメーカー製造中止、あるいは製造中止予定の旧式の構成部品やシステムが入っており、メンテナンスのコストアップのみならず、予備部品がないため故障発生時の長期休止リスクがある。

今回の近代化プロジェクトは、製品品質の向上とメンテナンスコストの削減を同時に実現することを目指して、多数の技術パッケージの実装、最新のオートメーションシステム、駆動装置、補助システムの投入、制御室の追設など、主に電気機器およびベーシックオートメーション(レベル1)の改造をターンキープロジェクトとして実施する。

2号機には、鋳型の湯面レベル制御システム「LevCon(レブコン)」、モールド鋳型の油圧式オシレータ機構「DynaFlex(ダイナフレックス)」、スラブの自動幅調節機構「DynaWidth(ダイナウィデュス)」、引抜駆動装置の制御システム「DriveCon(ドライブコン)」、油圧及び潤滑オイルの給油システム「HydrauliCon(ハイドロリコン)」及び「LubriCon(ルブリコン)」などの技術パッケージがそれぞれ装備される。

さらに、AC(交流)およびDC(直流)駆動装置を既存機器と入替え、安全PLC*1 本体を含む新しいPLC システムが導入、プログラムされ、暖房、換気、空調用のHVAC 設備、火災報知器、消火システムも新替えされます。連鋳機の鋳型は、ブレークアウト(溶鋼の漏れ)自動検知とプロセスデータ監視用システム「Mold Expert(モールドエキスパート)」やレブコン、新油圧ユニットと適合するものが製造される。

これらの供給、設置に加えて、プライメタルズテクノロジーズは、新制御室及び運転室の土木工事も担当する。他の2基の連続鋳造機には、湯面レベル測定システムの新設など小規模な改良工事を実施する予定であり、さらに3号機(No.3 CCM)には自動幅調節設備「DynaWidth(ダイナウィデュス)」を追加装備する予定。

*1 安全PLC:機能安全の国際規格IEC 61508 などに基づいて第三者の安全認証を得たPLC。

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