JFEスチールは5月24日、西日本製鉄所(倉敷地区)形鋼工場の生産基盤強化の第一弾としてSuperOLAC(R)-Sの更新投資を実施し、3月18日より営業運転を開始したと発表した。
今回の投資により、建築向けの主力商品であるスーパーハイスレンド(R)H(SHH)をはじめとする高機能材や、HBL-H355(R)などの高強度材の更なる製造安定化や生産効率化を図ることで、旺盛な建設需要に着実に応えることができるようになる。
また、2017年12月には鋼矢板製造用の中間ミルの増強更新投資も計画しており、この投資により、ハット形鋼矢板の製造安定化、リードタイム短縮が可能になる。
東京オリンピック・パラリンピックに向けた建築需要はもとより、2020年以降も老朽インフラの更新需要、国土強靭化投資などにより、建築需要は堅調に推移すると考えている。
今後も、(倉敷地区)形鋼工場の設備更新投資、設備増強投資を計画的に実行し、鋼材の安定供給を通じて、これらの社会インフラ整備に貢献していくとしている。
SuperOLAC(R)-Sとは、形状や材質を制御するH形鋼の冷却設備であり、稼働から20年を経過し、設備の劣化が進行したことから更新を行った。
今回の更新では、冷却の均一性を更に向上するための施策も実施しており、高機能・高強度商品の品質安定化も期待される。
鋼矢板の圧延は、矩形の鋼片を鋼矢板形状に粗成形するための粗圧延機、寸法形状の造り込みの中心となる中間圧延機、厚みと爪形状の最終成形を行う仕上げ圧延機で行う。このうち、中間圧延機の強度アップを目的に、圧延機の更新による圧延機の躯体サイズアップを計画している。
これにより、大断面サイズの鋼矢板の製造が安定化し、品質の向上、リードタイムの短縮が図られるとともに、高強度化等の更なる顧客ニーズに応えることが可能になる。