■大浦第2工業団地の立地企業候補者に決定
富山県氷見市は5月19日、産業振興と新たな雇用創出を目的として、大浦、下田子、上泉、柳田の4地区にまたがる土地に大浦第2工業団地の整備を進めているが、コマツが立地企業候補者に決定したと発表した。用地は2019年3月に完成する予定で、その後正式契約した後3年以内に操業を予定している。土地面積は11万㎡で売却金額は15億5,000万円の見込み。
コマツのグループ企業であるコマツキャステックス(本社:氷見市)の工場は、大阪工場(大阪府枚方市)の鋳造部、コマツキャステックス小山事業部(栃木県小山市)を順次氷見市に集約し、国内唯一の鋳鋼鋳鉄工場として、コマツの各工場へ鋳造品を提供する重要な役割を担っている。
コマツキャステックス本社工場内では最大の鋳鋼工場(19,604㎡)が約50年、第1工場では鋳鉄工場(5,407㎡)およびシールリング工場(5,186㎡)が約60年経過しており、生産設備の老朽化が進んでいるが、生産施設の更新を行うにも、これまでの工場集約により新たな生産施設を建設する敷地がない状況にある。
今回、氷見市の大浦第2工業団地を取得して、順次、老朽化した鋳鋼工場、鋳鉄工場及びシールリング工場を更新することにより生産性の向上を図るとともに、規模の拡大を目指す。
氷見市では、氷見市まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定して持続可能な社会の実現を目指しているが、今回のコマツの大浦第2工業団地の取得により、今後、大規模の生産設備の更新が順次行われていくことから地域経済の発展と雇用拡大に大きく貢献することを期待。また、これまで氷見になかった材料試験研究機関の設置が決定されていることから、コマツの研究開発部門に従事する者の氷見での定住及び氷見市出身の技術系大卒者の市内での就職も期待できるとしている。