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IHI、マレーシアで固体バイオマス燃料製造の商用実証

■未利用資源を有効活用 バイオマス燃料製造の商用化に向けた取り組みを加速

 IHIは4月26日、資源・エネルギー・環境事業領域における、バイオマス(※1)関連の新たな事業分野への展開の一環として、東南アジア地域に多く存在するパーム由来の未利用バイオマスを原料とした、火力発電に適用可能なカーボンニュートラル(※2)のバイオマス燃料製造に関する商用実証に取り組むことを決定したと発表した。今後、マレーシアで稼働中のテストプラントを商用実証水準に拡張する計画で、燃料サンプルの出荷を2017年度後半に開始する予定。

 燃料の供給安定性や優れた経済性、長年の運用実績による高い信頼性により、石炭火力発電は今後も国内の重要なベースロード電源としての役割を期待されている。この石炭の代替燃料としてカーボンニュートラルであるバイオマスを活用した、環境負荷低減の実現を目指す様々な取組みが国内外で注目されている。

東南アジア、特にマレーシアとインドネシアで広く生産されているパーム油の搾油過程で大量に発生するEFB(Empty Fruit Bunch:パームヤシの空果房)は腐敗しやすく、水分・灰分・塩分も多いため、その大部分は未利用なままで廃棄されているのが現状。

IHIは、この未利用のバイオマス資源であるEFBの有効利用を促進するため、ボイラメーカーとしての知見に基づき、微粉炭焚石炭火力発電所や、CFBC(Circulating Fluidized Bed Combustion循環型常圧流動層)ボイラで使用可能なレベルまで改質し、安定した品質のカーボンニュートラルな固体バイオマス燃料(以下「EFBペレット」)に変換する手法を確立した。現在、マレーシア国内でEFBペレットを製造するテストプラントを稼働させており、本年度後半頃からのサンプル出荷を予定している。

(※1)  バイオマス
再生可能な生物由来の有機性資源で、化石資源を除いたもの。
(※2)  カーボンニュートラル
ある生産や活動を行う際に、CO2の排出される量と吸収される量が同じである状態のこと。

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