IHIは4月25日、F-LNG・海洋構造物事業の主力工場である愛知工場は受注済み案件が完工次第、生産拠点としての機能を終了すると発表した。
昨年10月24日発表のとおり、F-LNG・海洋構造物事業について、2014年度以降の大幅な採算悪化を踏まえ、新規受注を停止するとともに、アルミSPBタンクを軸とした事業構造への変革の検討およびオフショア市場の見通しを踏まえた抜本的な対策の必要性の検討を重ねてきた。
足元のオフショア市場は、原油価格の下落などにより、低迷が継続しており、需要回復の見通しが立たない状況にある。
このような環境のもと、主力工場である愛知工場では、次年度以降の操業のめどが立たず、他事業での活用も含め、継続的かつ安定的な工事投入による採算性の確保が困難との結論に至った。
<今後の方針>
現在建造中のSPBカーゴタンクおよびFPSO船体建造工事については、IHIグループの総力を挙げて完工する。納入後のアフターサービスについては、早期に専門組織を設置し、経験と高度な専門性を有する人材を配置することにより、責任を持って対応するとともに、これまで培った製造技術・技能もノウハウとして保持・活用していく。愛知工場の従業員については、グループ内での最適配置により雇用を維持するとともに、愛知地区の新しい活用については今後検討を進める。
なお、今後のIHIグループにおける海洋開発分野への取り組みについては、社会的要請も踏まえ、検討を継続していく。
IHIグループは、今後も「グループ経営方針2016」において導入したポートフォリオマネジメントを通じて、収益基盤の強化に不断に取り組み、経営目標の実現を目指していく。