神戸製鋼所は4月12日、2015年2月より約80億円を投資し、高砂製作所内に非汎用圧縮機用の大型新試運転設備の建設を進めてきたが、このほど竣工し現地で開所式を開催したと発表した。式典には、山口貢代表取締役副社長執行役員、大濱 敬織専務執行役員、他関係者約120名が参加した。
非汎用圧縮機は、石油精製・化学プラント、発電所、製鉄所などでプロセスガスの圧送や反応用途に幅広く使用され、プラントの操業において不可欠な機械。近年、生産量拡大・効率向上を目指したプラントの大型化に伴い、使用される圧縮機もターボ式を中心とした大型機(モータ出力約30~40MW以上)の需要が高まっている。加えて、これまで大型機市場のプレイヤーは欧州系2社の寡占状態となっており、第3極の存在がユーザーから求められていた。
その様な中、神戸製鋼所は既に40MWクラスの大型ターボ圧縮機の製品開発を完了していたが、最終工程として性能確認をする大型試運転設備を有していなかった。市場のニーズに応えるべく、神戸製鋼所は既設20MW試運転設備の約2倍の能力を持つ大型試運転設備をこのほど増設した。増設により圧縮機の試運転設備としては世界最大級となる40MW可変速モータを使用した試運転が可能となり、大型機市場への参入条件が整う。
神戸製鋼所の機械事業部門では今中期経営計画の中で、「圧縮機事業の拡大」をテーマに掲げている。足元の圧縮機事業の売上高は800~900億円規模だが、2020年度には1,300億円程度を目指しており、今回の設備を活用し、今後一層の拡販を進めていく。