旭化成は3月30日、滋賀県守山市の守山事業所でリチウムイオン二次電池(LIB)用セパレータ※「ハイポア」の生産能力増強すると発表した。
※LIBの正極・負極間に位置する多孔質膜で、正極・負極間でリチウムイオンを透過させる機能を有するとともに、正極と負極の接触を遮断し、ショートを防止する部材。
LIB市場は、今後ハイブリッド自動車や電気自動車等の車載用途を中心に、急速に成長することが見込まれている。
旭化成グループは、LIB用セパレータとして「ハイポア」と「セルガード」を有し、湿式膜と乾式膜の双方を手がけるメーカーとして世界No.1のポジションを確立している。現在、湿式膜は滋賀県守山市、宮崎県日向市および韓国に、乾式膜は米国に生産拠点を置き、積極的な事業拡大を図っている。2020年までに約11億m2/年の供給体制を整備する計画に従い、このたび滋賀県守山市において湿式膜(「ハイポア」)の設備増強を決定した。
旭化成グループのLIB用セパレータの生産能力は、湿式膜が今回の増強により約6億1,000万m2/年、乾式膜が既存設備の生産性向上により約2億5,000万m2/年、合計約8億6,000万m2/年となり、今後の需要の拡大に応えていく。
<能力増強の概要>
立地:滋賀県守山市(守山製造所内)
生産品目:LIB用セパレータ「ハイポア」
増強能力:約2億m2/年
設備投資額:約150億円
稼働時期:2019年度上期商業運転開始予定