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日本ガイシ、ポーランドの自動車排ガス浄化用セラミックスの生産能力を大幅増強

日本ガイシは3月30日、ポーランドの製造子会社であるNGKセラミックスポーランド(ポーランド・シロンスク県グリヴィツェ市)の自動車排ガス浄化用セラミックスの生産能力を増強すると発表した。総額約290億円の設備投資を実施し、PM(粒子状物質)除去用の炭化ケイ素(SiC)製ディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)とガソリン・パティキュレート・フィルター(GPF)の需要拡大に対応する。

NGKセラミックスポーランドは、SiC製DPFの生産拠点として2003年に設立した。2004年に生産を開始して以来、生産能力と品目を段階的に拡大し現在では、SiC製DPFやGPFなど4品目の自動車排ガス浄化用セラミックスを生産している。また、2017年2月にはSiC製DPFの生産のため、第2工場(ポーランド・シロンスク県ドンブロヴァ・グルニチャ市)の操業を開始した。

今回の設備投資では、第1工場でGPFを、第2工場でSiC製DPFの生産能力を増強する。投資額は2工場合わせて約290億円を予定しており、2020年4月までに生産能力をGPFは約3倍に、SiC製DPF(2工場合計)は約3割、段階的に引き上げる。

世界的な排ガス規制の強化や新興国を中心とした自動車販売台数の増加により、日本ガイシの排ガス浄化用セラミックスの需要は拡大している。中でも欧州では2017年9月から、ガソリン車へのPM排出粒子数(PN)規制や実走行条件での排ガス試験「Real Driving Emissions(RDE)試験」が導入されることから、GPFの需要が増加する見通し。また中国やタイ、インドなどの新興国では排ガス規制が段階的に強化される予定で、ディーゼル車へのSiC製DPFの搭載が見込まれまる。

日本ガイシは今後も、自動車排ガス浄化用セラミックスの世界的な需要拡大に応じた増産設備投資を行い、効率的かつ安定的なグローバル生産・供給体制を構築していく。

<設備投資の概要>
第1工場(グリヴィツェ市)
投資額:約70億円
場所:既存建屋内に設備を増設
生産品目:GPF工事期間:2017年7月~2019年6月生産開始:2018年7月

第2工場(ドンブロヴァ・グルニチャ市)
投資額:約220億円
場所:現有敷地内に新棟を建設
生産品目:SiC製DPF
工事期間:2017年8月~2020年4月生産開始:2019年4月

■炭化ケイ素(SiC)製ディーゼル・パティキュレート・フィルター(DPF)
ディーゼルエンジンの排ガス中のPM(粒子状物質)を除去するセラミックフィルター。ハニカム(ハチの巣)構造の穴の出入口を交互にふさぐことで、セラミックスの薄壁をフィルターとして使用し、排ガス中のPMを捕集する。炭化ケイ素製はコージェライト製よりさらに耐熱性に優れるため、主に使用条件の厳しい乗用車に使用される。

■ガソリン・パティキュレート・フィルター(GPF)
ガソリンエンジンの排ガス中のPMを除去するセラミックフィルター。DPFの技術を活用して開発。素材には軽量で耐熱衝撃性に優れるコージェライトを使

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