川崎重工業は3月27日、神戸市向けにごみ処理発電施設を納入したと発表した。
今回納入した施設は、「神戸市第11次クリーンセンター整備事業」の、「第11次クリーンセンター建設工事」で、川崎重工と大林組とのJV(特定建設工事共同企業体)が建設した。引き続き、今年4月より「設備管理委託契約」に基づき、川崎重工が20年間の設備管理業務を行う。
同施設は、ごみ焼却発電施設(600t/日:200t/24h×3炉)、破砕施設(20t/日)および資源ごみ積替施設にて構成されている。
ごみ焼却発電施設は、川崎重工独自のストーカ式並行流焼却炉に、ろ過式集じん器(バグフィルタ)や排ガス再循環システムなど、高度な排ガス処理システムを設置することにより、ダイオキシン類やCO(一酸化炭素)などの有害物質の排出抑制や排ガス量の低減を実現する。
また、高温高圧ボイラと排気復水タービンを組み合わせて高効率発電(最大発電量15,200kW)を行い、施設内の消費電力を賄うとともに、余剰電力を売電することで温室効果ガス(CO2)の排出量削減に貢献する。
さらに、災害拠点としての強靭化を図るため、災害などで外部電源が途絶した状態でも、非常用発電機を用いて自立稼動ができ、一定期間のごみ焼却が可能な施設となっている。
なお、同施設の建設地は臨海部(ポートアイランド第2期)にあることから、港町神戸の景観に配慮し、モダンかつコンパクトなデザインを採用することで周辺環境との調和を図っている。
川崎重工は、廃棄物処理技術において、今回納入したストーカ式焼却炉をはじめ、各種焼却技術を有しており、今後とも、多様化する環境問題やニーズに応えるため、積極的な技術開発と販売活動に取り組んでいくとしている。
■神戸市第11次クリーンセンター整備事業の概要
【建設工事の概要】
発注者:神戸市
受注者:川重・大林特定建設工事共同企業体
工事名:第11次クリーンセンター建設工事
建設場所:神戸市中央区港島9丁目12-1
設備概要:①焼却設備:ストーカ式並行流焼却炉600t/日(200t/24h×3炉)
②排ガス処理設備:ろ過式集じん器、有害ガス除去設備他
③飛灰処理設備:重金属類溶出防止処理
④余熱利用設備:蒸気タービン発電機15,200kW×1基
⑤破砕設備:せん断式破砕機20t/日(10t/5h×2基)
【設備管理業務の概要】
発注者:神戸市
受注者:川崎重工業株式会社
業務委託名:神戸市第11次クリーンセンター整備事業設備管理委託
業務委託期間:2017年4月1日~2037年3月31日(20年間)