ユングハインリッヒ(Jungheinrich):2026年9月2日
ドイツのintralogistics(構内物流)大手、ユングハインリッヒは9月2日、同社が設立・支援する独立運営のベンチャーキャピタル(VC)ユニット、アップリフト・ベンチャーズ(Uplift Ventures)が初号基金として1億ユーロ(約184億円)のファンドを組成したと発表した。 本ファンドは、欧州を中心にPhysical AI(フィジカルAI)、エネルギー、Enterprise AI(エンタープライズAI)、物流(Logistics)分野の早期段階のディープテック(Deep Tech)スタートアップおよび関連VCファンドへの投資を想定しており、ユングハインリッヒの長期成長戦略「Strategy 2030+」の重要マイルストーンと位置付けられる。
■投資対象と戦略:Physical AI・エネルギー・物流など4領域に集中
アップリフト・ベンチャーズは、本ファンドを通じて欧州・米国・アジアの成長性の高いテクノロジ企業および厳選されたディープテック系VCファンドへ投資を行う。 重点領域は以下の4つ。
• Physical AI(フィジカルAI):実空間で動作するAI・ロボティクス関連
• Energy(エネルギー):次世代エネルギー・蓄電・充電インフラなど
• Enterprise AI(エンタープライズAI):産業向けAIソフトウェア・データ基盤
• Logistics(物流):構内物流・サプライチェーンの自動化・最適化
これらの領域は、ユングハインリッヒが自社のイノベーション戦略で最重要と掲げる分野と整合しており、基金は「産業課題と起業家の野心の両方を理解する忍耐強い資本」として機能することを目指す。
■Strategy 2030+の一環:70年の構内物流知見をVCで拡張
ユングハインリッヒは1950年代から70年以上にわたり構内物流(intralogistics)で蓄積した知見を持ち、2025年にアップリフト・ベンチャーズを独立したコーポレート・ベンチャリング(CVC)ユニットとして設立。 今回の1億ユーロ(約184億円)ファンドは、同社の「Strategy 2030+」に基づくポートフォリオ拡大・新規ビジネスモデル・戦略的パートナーシップを通じた長期成長強化の一手となる。 同戦略では2030年までに売上高100億ユーロ・EBIT利益率10%を目標に掲げており、自動化や新領域への展開が成長の柱とされる。
■人事:クリスチャン・ノスケ氏がGPに就任、欧州ディープテック投資をリード
基金の運用を担うゼネラル・パートナー(GP)には、クリスチャン・ノスケ(Christian Noske)氏が就任。 ノスケ氏は欧州・米国・中国で10年以上にわたりディープテック投資を手掛け、直近ではNGP Capital(エヌジーピー・キャピタル)で欧州投資を統括。 さらに以前にはBMW i Ventures(ビーエムダブリュー・アイ・ベンチャーズ)およびAlliance Ventures(アライアンス・ベンチャーズ、ルノー・日産・三菱連合のVCアーム)の共同設立パートナーを務め、ロボティクス、エネルギー、宇宙技術、自動運転、製造、物流など40社以上への投資実績を持つ。
■経営陣コメント
「ディープテックには、産業の現場課題と起業家の野心の双方を理解し、長期視点で伴走できる資本が必要だ」。 ユングハインリッヒのラルス・ブルゾスカ(Dr. Lars Brzoska)CEOは、アップリフト・ベンチャーズを「次世代の産業リーダーを育成するパートナー」と位置付け、財務リターンと2030+戦略への戦略的価値の両面で期待を表明した。 同社にとっては、ベンチャービルディング(2025年開始)の延長線上で、将来の重要イノベーション領域への構造的な早期アクセスと、次世代の起業家・開発者との協業基盤を強化する仕組みとなる。
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