・多芯シールド線の全自動一貫加工を実現
新明和工業は2月27日、自動車向けワイヤハーネス分野で使用される多芯静電シールド線に対応した新型自動電線処理機「多芯静電シールドドレイン線加工機『SS21』」を開発し、3月1日から販売を開始すると発表した。多芯静電シールド線において、「測長」「切断」「シース(絶縁体)ストリップ」「ドレイン線への熱収縮チューブ加工」「ドレイン線ストリップ」までの一連工程を全自動化した装置は世界初としている。
近年の自動車は、EV化や高度運転支援システム(ADAS)の進展により電子制御化が急速に進み、ノイズ対策として静電シールド線の採用が拡大している。特に複数回路を一体化した多芯静電シールド線は、省スペース化や軽量化に寄与する一方、構造が複雑で加工難度が高く、従来は手作業や複数工程による処理が一般的だった。
新開発の「SS21」は、こうした課題を解決するために開発された専用機。多芯静電シールド線に対し、両端それぞれに上記の全工程を自動で実施できる。両端加工時でも最速17秒で処理を完了する高い生産性を実現し、品質の安定化と作業者負担の軽減を両立する。
ドレイン線への熱収縮チューブ挿入・加熱処理までを装置内で完結できる点も特長で、工程間搬送や手作業介在を削減。加工バラツキの抑制とトレーサビリティ向上にも貢献する設計となっている。
自動車用ワイヤハーネス業界では、EV市場の拡大に伴い高電圧・高周波対応のシールド線需要が増加している一方、人手不足や技能継承の課題が顕在化している。同社は「SS21」の投入により、多芯静電シールド線の量産体制構築と生産自動化を支援し、自動車の信頼性を支える配線部材の安定供給に貢献する考え。
今後は国内外のワイヤハーネスメーカーや自動車部品メーカーへの提案を強化し、電動化・高度化が進む車両開発を加工技術面から支えていく方針。
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