熱交換器のティラド、25年4〜12月決算は純利益が5.9倍に急伸

・米国事業改善と円安効果で大幅増益、通期予想も上方修正

ティラドが2月2日に発表した2026年3月期第3四半期(2025年4〜12月)連結決算は、売上高が前年同期比3.7%増の1,180億8,200万円、営業利益が168.2%増の83億2,800万円、経常利益が124.0%増の92億2,400万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が493.9%増の68億6,900万円となった。1株当たり四半期純利益は1,142円91銭で、前年同期の176円96銭から大幅に改善した。

同社は自動車用や建設産業機械用の熱交換器を主力製品とする独立系メーカーで、トヨタグループやホンダグループなど幅広い取引先を持つ。今期は米国の関税政策が一定期間安定推移したことで生産・販売活動が安定化した一方、円安基調が業績を押し上げる要因となった。ただし地政学リスクや貿易摩擦によるサプライチェーンへの影響には引き続き警戒が必要としている。

■ セグメント別業績
セグメント別では、日本が売上高559億4,300万円で前年同期比28億7,900万円の増収、営業利益は33億3,800万円で24億6,400万円の増益となった。自動車用と建設産業機械用の双方で受注が増加し、生産性向上や原価低減活動の効果も寄与した。

米国は売上高317億100万円で7億5,400万円の増収だが、外貨ベースでは1.7%の減収となった。営業利益は3億3,600万円で前年同期の8億6,400万円の赤字から大幅に改善した。日本やアセアンへの生産移管プロジェクトの進捗により生産が安定化し、取引先への関税転嫁交渉も進展したことが収益改善につながった。

欧州は売上高40億1,700万円で6億100万円の増収、営業利益は1,300万円で1億7,100万円改善した。商用車向け売上の回復が寄与した。アジアは売上高170億7,900万円で16億5,700万円の増収、営業利益は36億3,300万円で5億8,600万円の増益となった。自動車用売上が堅調に推移し、円安効果も加わった。

中国は自動車用や商用車向けの受注減が続き、売上高は90億9,300万円で17億2,400万円の減収となった。ただし固定費削減効果や引当金減少により、営業利益は8億7,800万円で6億2,600万円の増益を確保した。

■ 通期業績予想
通期業績予想については、11月に公表した数値から上方修正を行った。連結売上高は154,000億円から1,600億円へ60億円引き上げ、営業利益は88億円から109億円へ21億円、経常利益は98億円から122億円へ24億円、親会社株主に帰属する当期純利益は64億円から87億円へ23億円それぞれ上方修正した。1株当たり当期純利益は1,517円32銭を見込む。

修正の理由として同社は、12月末時点の為替レートをベースにアジア子会社や米国子会社が増収見込みとなったこと、海外部門の増収による限界利益の嵩上げ、米国関税分の取引先転嫁交渉の進捗、国内部門の利益率改善などを挙げている。

配当については中間配当を1株160円実施済みで、期末配当も160円を予定し、年間配当は320円となる見通し。前期の年間配当240円から80円の増配となる。

同社は2030年度に売上高2,000億円、ROE15%以上を目指す中期経営計画「T.RAD-2025」を推進中。電動化が進む自動車市場においても、HEVやPHEVなど多様なパワートレインに対応した熱交換器の需要拡大を見込み、北米や国内での生産拠点拡充を検討している。特に開発した多機能ラジエータが大手自動車メーカーに採用されるなど、マルチパスウェイ時代における市場シェア拡大の好機と捉えている。​​​​​​​​​​​​​​​​

ティラドの2026年3月期第3四半期決算短信

決算補足説明資料