イタリア建設機械市場、2025年は微減、2026年は不透明感強まる

・販売・輸出ともに減少、税制・通商環境が市場の重荷に

イタリア建設機械工業会(Unacea) :2026年1月28日

イタリアの建設機械市場は2025年、販売・輸出ともに前年を下回った。イタリア建設機械工業会のウナチェア(Unacea)が1月23日に開催したオンライン記者会見で明らかにした。2026年については、通商摩擦や税制を巡る不確実性が強く、市場の先行きは不透明としている。

Unaceaの集計によると、2025年のイタリア国内における建設機械販売台数は2万1,740台と、前年から1%減少した。内訳は、土木・建設機械が2万699台(前年比1%減)、道路機械が1,041台(同2%増)であった。これらの数値は、メーカーおよび輸入業者の販売実績を基に算出されたものである。

一方、国際貿易も減速している。UnaceaとCERがまとめた最新の海外貿易報告書によると、2025年1〜10月のイタリア製建設機械の輸出額は26億ユーロとなり、前年同期比2.2%減少した。輸入額は18億ユーロと同5.9%増加したものの、貿易収支は7億2,100万ユーロの黒字を維持している。ただし、この黒字額は前年から18.7%縮小した。

Unaceaのルカ・ヌタレッリ専務理事(Luca Nutarelli)は、「国際的な通商摩擦が輸出入の双方を押し下げる環境にある。外国関税や、予算法に盛り込まれた超減価償却措置に伴うEU域内製品(メイド・インEU)制限など、市場を歪める要因が生産チェーンと国内販売の重荷になっている」と指摘する。

同団体は、超減価償却措置がEU域内製品に限定された場合、イタリア市場は3分の1規模に縮小すると試算している。一方で、制限がなければ最大8%の市場拡大も見込めたという。多くの製品分野でEU域内の供給能力は限られており、イタリアの建設機械メーカーも製品群のすべてをEU域内で生産しているわけではなく、非EU地域の生産拠点に依存している現実がある。特定機種の市場縮小は、搭載される関連機器にも影響を及ぼす可能性がある。

道路機械分野については、ウィルトゲン・マッキーネ(Wirtgen Macchine)のマリオ・ミケーレ・スピネッリCEO(Mario Michele Spinelli)が、「過去5年間、販売台数はほぼ横ばいで推移してきた。市場の飽和により需要減少は想定されるが、機械更新も進んでおり、全体としては安定した見通しである」と述べた。2025年第4四半期は好調だった一方、2026年初頭は顧客の判断を鈍らせる不透明感から停滞気味だとし、「早急に将来像を明確にすることが市場再始動の鍵になる」と強調した。

コマツ・イタリア・マニュファクチャリング(Komatsu Italia Manufacturing)のダビデ・バッツィCEO(David Bazzi)は、「税制優遇があれば、顧客は更新や新規購入に前向きになる。しかし不確実な環境が市場の動きを鈍らせている」と語る。2026年は本来、イタリア国家復興・強靱化計画(PNRR)資金の最終年として工事加速が期待されていたが、「現時点では状況の推移と次の政策判断を見極める段階にある」とした。

また、CGTのジャンルカ・カリ マーケティングディレクター(Gianluca Calì)は、「市場の実績は建設工事の稼働水準と、購入を直接刺激するインセンティブ効果の組み合わせによって決まる」と指摘する。2026年は本来さらなる加速が期待されたものの、「期待を下回る結果となり、市場全体に横断的な影響と需要の抑制が及ぶ可能性が高い」との見方を示した。2024年に産業5.0(Industry 5.0)を巡る不透明感が市場に影響した状況が再び起きる可能性もあり、2026年初頭は企業が制度や規制の動向を見極めるまで投資を控えることで、低調なスタートとなる恐れがあるとしている。

ニュースリリース