日本製鉄、5年間で6兆円規模の大型投資計画を発表

・2030年度に連結実力利益1兆円超を目指す

日本製鉄は12月12日、「2030中長期経営計画」を発表し、今後5年間で総額6兆円規模の設備投資・事業投資を実施すると発表した。この大規模投資により、国内事業の収益基盤強化と海外事業での成長戦略を推進し、「総合力世界No.1の鉄鋼メーカー」への復権を目指す。

■6兆円投資の内訳と重点地域

投資計画には、米国のUS スチール買収に伴う約110億ドル(2028年末まで)が含まれる。重点地域として米国・欧州、インド、タイを設定し、鉄源一貫体制の強化と生産能力の拡大を図る。

米国では、世界最大の高級鋼市場において、US スチールへの最先端技術移転を通じて設備投資効果とシナジーを最大化する。インドでは、AM/NS Indiaのハジラ製鉄所における能力拡張に加え、南部での一貫製鉄所建設に着手する。タイでは、現在約30%の市場シェアをさらに拡大する方針だ。

■国内では構造改革を加速

国内事業では、新鋭設備投資の効果発揮と最適生産体制の追求により、コスト競争力を徹底的に強化する。この一環として、東日本製鉄所鹿島地区の連続焼鈍1基を2027年度末目途に休止することも決定した。

■財務目標と株主還元

2030年度の財務目標として、連結実力利益1兆円以上、ROE10%程度、D/E比率0.7程度を掲げる。株主還元では、従来の「連結配当性向30%程度」に加え、2027年3月期から2031年3月期の5年間、1株当たり年間配当額の下限を24円とする新方針を導入する。

同社は、新興国の経済成長やAI・エネルギー関連投資の拡大による需要増を見込む一方、保護主義の台頭や中国の輸出攻勢など厳しい経営環境を想定。大規模投資による成長戦略の実行により、世界トップの座奪還と日本経済への貢献を目指す。​​​​​​​​​​​​​​

ニュースリリース

2030中長期経営計画説明資料