・大気直接回収技術の実用化見据え、カーボンニュートラル実現へ
千代田化工建設は12月2日、米国の直接大気回収(DAC:Direct Air Capture)技術を開発するヘルルーム・カーボン・テクノロジーズ(Heirloom Carbon Technologies, Inc.、本社:カリフォルニア州、代表取締役社長:Shashank Samala)への出資を決定したと発表した。
ヘルルーム社は2020年に設立された気候テック企業で、天然の鉱物反応を利用した大気中CO₂の直接回収技術の開発を進めている。同社の技術は従来のDAC技術と比較して、革新的なコスト低減が期待される点が特徴。
千代田化工は、マテリアリティ(サステナビリティの重要課題)として「環境負荷低減社会の実現」を掲げており、今回の投資は同社が持つエンジニアリング力とプロジェクト遂行能力を組み合わせることで、革新的DACソリューションの導入拡大とコスト低減を推進し、地球規模の気候変動対策に貢献する狙いがある。
同社は総合エンジニアリング会社として、カーボンニュートラルの実現に貢献する技術の社会実装に向けて多方面から事業に取り組んでいる。今回の出資を通じて、エンジニアリング分野における「社会の”かなえたい”」の実現を目指し、持続可能な社会の発展に貢献していく方針だ。
<ヘルルーム・カーボン・テクノロジーズ概要>
• 設立: 2020年
• 本社所在地: サンフランシスコ、カリフォルニア州、米国
• 事業概要:大気中から直接CO₂を回収するDAC技術の開発と、同DAC技術によるCO₂回収・カーボンクレジットの創出・販売
• URL: https://www.heirloomcarbon.com/
※ DAC(Direct Air Capture)は、大気中に含まれるCO₂を直接回収し、恒久的に貯留または利用するための先進的な脱炭素技術。従来のCO₂回収が工場や発電所などの排出源を対象とするのに対し、DACは空気中のCO₂そのものを回収可能であり、脱炭素化が困難な分野(航空・セメント・鉄鋼など)の排出削減にも大きく貢献できる点が特徴とされている。