井関農機、25年1〜9月売上は国内需要好調で 11.8%増の1,437億円

・通期見通しも上方修正

井関農機が11月14日に発表した2025年12月期第3四半期(1〜9月)の連結決算によると、売上高は前年同期比11.8%増の1,437億1,200万円だった。国内の農業機械需要が引き続き堅調で、同17.3%増の981億1,300万円となり、全体をけん引した。海外売上高は欧州・アジアでの伸びにより、同1.4%増の455億9,900万円となった。

米価上昇による購買意欲の高まりが国内売上の押し上げ要因となった。また、作業機・メンテナンス収入が安定収益源として続伸。加えて、大型施設工事の複数完工により、国内全体で大幅な増収となった。海外では北米市場の弱含みが継続したものの、欧州・アジアでカバーし、増収基調を維持した。

営業利益は同92.8%増の59億9,600万円、経常利益は同85.1%増の53億9,800万円。国内外の増収および過年度値上効果により大幅な増益となった。税金等調整前四半期純利益は同923.0%増の62億6,700万円となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は41億2,300万円で、前年同期の5億3,000万円の赤字から黒字に転じた。固定資産売却益の計上と前年にあった構造改革に伴う減損損失がなくなったことで、経常利益から増益幅が拡大した。

■商品別では収穫機が大幅増

国内では収穫調製用機械(コンバインなど)の売上が27.8%増の141億8,900万円と大きく伸長。そのほか整地用機械(トラクタなど)は185億8,100万円(15.7%増)、栽培用機械(田植機など)は65億3,400万円(26.2%増)だった。作業機・補修部品・修理収入は392億5,400万円(18.3%増)、農業関連の施設工事なども195億5,400万円(8.0%増)と堅調に推移した。

海外では整地用機械が320億3,500万円(10.0%増)、栽培用機械が10億700万円(7.0%増)、収穫調製用機械が14億4,500万円(151.9%増)と好調だった。補修部品・修理収入は56億4,100万円(4.6%増)となったが、施設関連は54億6,900万円(38.6%減)と振るわなかった。

■通期予想を上方修正、純利益は23億円見込む

同社は今回の決算を受け、2025年12月期の通期連結業績予想を上方修正した。売上高は1,810億円(前期比7.5%増)、営業利益は40億円(108.3%増)、経常利益は31億円(96.5%増)、純利益は23億円を見込む。前期は30億2,200万円の最終赤字だった。

国内の米価上昇を背景とした農家の購買意欲の高まりを捉え、第3四半期累計は前回予想時の想定より増収増益となった。その結果、通期でも売上・利益ともに前回予想(8月8日公表)を上回る見込みとなったことから、再度上方修正するものとした。

業績見通しの前提となる為替レートは、米ドル=149.0円、ユーロ=167.0円としている。

At期末配当を10円増配、40円へ
同社は配当予想についても修正を発表した。2025年12月期の期末配当は前回予想から10円増配の40円とする。これは、通期連結業績予想の上方修正と、中期経営計画「プロジェクトZ」の目標値「2027年DOE2%以上」を踏まえたもの。株主への安定的な配当を重要政策の一つとして、財務の健全性を維持しつつ収益基盤や事業展開を総合的に勘案した結果としている。​​​​​​​​​​​​​​​​

井関農機の2025年12月期第3四半期決算短信

第3四半期決算補足説明資料