アイダエンジニアリング、25年4〜9月売上は3.2%増の387億円、営業利益は6.8%増

・通期予想を上方修正

アイダエンジニアリングは11月14日、2026年3月期第2四半期(中間期、25年4〜9月)の連結業績を発表した。売上高はサービス売上の増加や米国子会社HMS社の売上合算などにより386億8,800万円(前年同期比3.2%増)となった。利益面では増収や製品ミックス改善、プレス機やサービスの粗利率改善が寄与し、営業利益は30億7,600万円(6.8%増)、経常利益は31億5,900万円(17.6%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は26億3,700万円(12.4%増)と増益を確保した。
一方、受注高は中・大型プレス機(個別プレス機)の減少が響き319億400万円(10.8%減)に落ち込み、受注残高も565億1,900万円(前期末比10.7%減)となった。
世界経済は米国通商政策の不確実性により企業の慎重姿勢が見られたものの、堅調な米国経済に支えられ底堅い成長を維持した。関税交渉の進展により不確実性は薄れつつあるが、関税負担による企業業績悪化や物価高、保護主義の高まりなどによる下振れリスクは依然として残っている。鍛圧機械業界では、事業環境の予見性低下により主に国外案件が減少し、4〜9月のプレス系機械受注額(日本鍛圧機械工業会統計)は619億3,700万円(21.2%減)となった。

アイダ2026年3月期第2四半期データ

■地域別業績
• 日本:高速プレス機の売上増加で売上高227億2,300万円(4.8%増)、製品ミックス改善と個別・汎用プレス機の粗利率改善によりセグメント利益14億8,400万円(45.6%増)。
• 中国:汎用プレス機売上は増加したものの個別・高速プレス機の減少で売上高59億4,100万円(4.8%減)、販管費削減でセグメント利益4億5,300万円(7.6%増)。
• アジア:個別・高速プレス機の販売減で売上高46億4,200万円(16.6%減)、減収の影響でセグメント利益1億9,600万円(23.2%減)。
• 米州:HMS社の買収やサービス売上増加で売上高106億1,900万円(18.0%増)となったものの、個別機・高速機の粗利率低下などによりセグメント利益5億8,200万円(31.2%減)。
• 欧州:個別プレス機・サービス売上は増加したものの汎用・高速プレス機の減少で売上高69億300万円(14.9%減)、粗利率改善でセグメント利益2億1,500万円(1.8%増)。

■通期見通しを上方修正
2026年3月期通期予想は、売上高を780億円から800億円(5.3%増)に上方修正した。想定以上の円安進行に加え、当初想定していなかったDallas社買収効果を計上したことが主因。一方、営業利益58億円(4.9%増)と経常利益60億円(7.9%増)は据え置いた。プラス要因がプレス機の売上遅延やキャンセルなどのマイナス要因で打ち消されたため。親会社株主に帰属する当期純利益は、政策保有株式の売却により特別利益が増加したことから42億円から48億円(5.9%減)に上方修正した。配当予想は期末37円、年間37円で据え置いた。
重要な後発事象
同社は10月28日の取締役会において、子会社のAIDA AMERICA CORP.がDallas Industriesの全持分を取得し完全子会社化することを決議し、10月31日付で全持分を取得した。Dallas社は米国のコイル送り装置等の設計・製造会社で、4月に買収したHMS社(ディスタックやトランスファーフィーダーに強み)に加え、コイルフィーダーに強いDallas社を子会社化することで米州における自動機供給体制が整備される。取得価格は約10百万米ドル(暫定)。HMS社とDallas社の買収および追加投資を含めた米州における一連の投資額は総額50億円を見込んでいる。

アイダエンジニアリングの2026年3月期第2四半期決算短信

決算説明資料