三菱重工業 台湾・長春石油化学苗栗工場向けに2台目のH-25形ガスタービンを受注

・天然ガス焚きコージェネ設備で高効率化・CO₂削減に寄与、2028年末稼働予定

三菱重工業は11月12日、台湾の長春石油化学股份有限公司(Chang Chun Petrochemical Co., Ltd.)から、三菱商事マシナリを通じてH-25形ガスタービン1台を受注したと発表した。長春石油化学が進める苗栗(ミャオリ)工場の天然ガス焚きコージェネ(熱電併給)設備向けで、2028年末ごろの運転開始を予定している。

同工場では、既存の重油・石炭焚きボイラーを高効率な天然ガス焚き設備へ転換するプロジェクトを推進中。今回受注したH-25形ガスタービンは出力約3万kWで、発電と製造プロセス用蒸気を供給する中核機器として採用された。三菱重工は本体・補機の納入に加え、据付・試運転に関わる技術支援を行う。

三菱重工は2023年にも同工場向けにH-25形を1台受注しており、2026年夏の稼働を予定。今回の案件は2台目となる。プラント全体の高効率化とCO₂排出削減を図り、台湾のエネルギー政策実現に貢献する。

長春石油化学は、台湾の有力石油化学コングロマリットである長春集団(Chang Chun Group)の中核企業。長春集団は台北に本社を置き、台湾内外で多数の化学・樹脂製造拠点を展開している。三菱重工は1984年以降、同グループ向けに蒸気タービン9台、ボイラー5缶などを納入しており、今回の受注は長年の実績と信頼関係に基づくもの。

H-25形ガスタービンは、1987年の初号機納入以来、世界で200台を超える運用実績を持ち、高い信頼性を誇る。従来のボイラー燃焼方式と比べ、発電効率を大幅に向上でき、CO₂排出量削減にも効果を発揮する。

三菱重工は今後も、国内外の産業用自家発電やコージェネなど分散型電源分野での展開を強化し、各地域の産業基盤強化とエネルギー環境負荷の低減に取り組む方針。

<プロジェクト概要>

項目:台湾・長春石油化学 苗栗工場向けガスタービン発電設備プロジェクト

発注者:長春石油化学股份有限公司(Chang Chun Petrochemical Co., Ltd.)

納入者:三菱重工業株式会社(販売:三菱商事マシナリ株式会社)

設置場所:台湾 苗栗市

設備内容:H-25形ガスタービン(出力約3万kW)1台

用途:天然ガス焚きコージェネレーション(熱電併給)設備

稼働開始予定:2028年末ごろ

目的:プラントの高効率化とCO₂排出量削減、台湾のエネルギー政策への貢献

備考:同工場向け2台目のH-25形ガスタービン(1台目は2023年受注、2026年稼働予定)

ニュースリリース