三井E&Sが11月12日に発表した2026年3月期第2四半期(中間期、2025年4〜9月)の連結決算は、売上高1,655億円と前年同期比14%増となり、主力事業の堅調な進捗を背景に増収を確保した。営業利益は198億円と前年同期の92億円から倍増以上の伸びを示し、経常利益も227億円と前年同期比71%増と大幅に改善した。一方で、親会社株主に帰属する純利益は175億円と前年同期の323億円から46%減少し、EPSは173円76銭と前年同期の318円10銭から大きく低下した。これは前年に計上した関係会社株式売却益が剥落した影響が大きい。
経営成績の概況としては、世界経済が緩やかな成長を維持する中、同社は舶用推進システム事業で二元燃料エンジンの販売が増加し、物流システム事業でも大型工事が順調に進んだことが収益拡大に寄与した。営業利益は両事業の採算改善が進んだことで大幅に増加したが、純利益は特別要因の反動で減益となった。
■ セグメント別
セグメント別では、成長事業推進が売上高179億円(18%増)、営業利益30億円(73%増)と堅調に推移。舶用推進システムは売上高751億円(12%増)、営業利益90億円(111%増)と大幅な改善を見せた。物流システムは売上高311億円(16%増)、営業利益67億円(180%増)と採算改善が顕著。周辺サービスも売上高413億円(21%増)、営業利益17億円(241%増)と海外子会社の伸びが寄与した。いずれの事業も収益性の改善が鮮明となっている。
■ 通期の連結業績予想
通期の連結業績予想については、売上高3,400億円(8%増)、営業利益300億円(30%増)、経常利益310億円(12%増)、純利益260億円(34%減)、EPS257円70銭と見込んでいる。前回予想から営業利益・経常利益・純利益をそれぞれ上方修正しており、舶用推進システムと物流システムで好採算案件が上期に集中したことやアフターサービス事業の好調が背景にある。為替前提も1ドル=145円に見直され、収益改善に寄与する見通しだ。
全体として、売上高と利益水準は着実に拡大している一方、前年の特別益剥落による純利益減少が目立つ決算となった。主力事業の成長と採算改善が鮮明であり、通期予想も上方修正されるなど、基盤の強化が進んでいる。
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