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三菱重工サーマルシステムズ、熱源総合制御システム「エネコンダクタ」に新モデル「EC-8」を今春市場投入

・ターボ冷凍機の制御台数を最大8台まで拡張

・ターボ冷凍機をはじめ周辺機器を最適制御し、熱源設備全体のさらなる省エネを実現へ

・共通ポンプ方式への対応と通信プロトコルの追加により、海外での導入も拡大へ

 三菱重工グループの三菱重工サーマルシステムズ(東京都千代田区)は2月6日、ターボ冷凍機とその周辺機器である冷水ポンプ、冷却水ポンプ、冷却塔などを一括で制御する熱源総合制御システム「エネコンダクタ」に、最大で8台のターボ冷凍機の制御が可能な「EC-8」を新たにラインアップし、今春市場投入すると発表した。導入可能な大規模設備の幅が広がるとともに、設備全体のさらなる省エネ促進も容易になる。

 エネコンダクタは、ターボ冷凍機メーカーならではの運転制御ノウハウを搭載し、ターボ冷凍機の台数や冷水・冷却水変流量の制御など省エネ性の高い制御機能をパッケージ化している。このパッケージ化により、空調設備全体の最適な運転判断を自動的に行い、消費電力を最大で26%削減(注1)することができる。また、個別のシステム設計や設備工事の作業負担を軽減することができるので導入しやすく、既存設備への追加設置も可能なため、設備を更新しなくてもエネコンダクタを導入すれば、さらなる省エネ化を実現することもできる。

 EC-8は、個別ポンプ方式(注2)に加え、東南アジアや中東などで広く採用されている共通ポンプ方式(注3)にも対応している。機械やセンサーなどが情報を交換するための通信プロトコルには、「Modbus®」のほか、「BACnet®」を新たに搭載。これにより、上位監視制御装置との間でリアルタイムにデータを送受信できるようになったため、制御の即応性が向上した。また、配線(信号線)が少なくなることから、施工管理も容易になります。これらの仕様を追加したことにより、海外において導入可能な設備の幅が広がった。

 三菱重工グループは、2040年のカーボンニュートラル達成を宣言し、生産活動に伴う自社工場などからのCO2排出量削減や、グループ製品の使用に伴う顧客側のCO2排出量削減などに取り組んでいる。同グループの一翼を担う三菱重工サーマルシステムズでは、一般空調、工場空調、地域冷暖房などに多数のターボ冷凍機を供給し、同分野で国内トップシェアを誇る。今後も引き続き、顧客ニーズに応えるとともに、地球環境負荷の低いターボ冷凍機および熱ソリューション製品の納入を通じて、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していく。

注1:三菱重工サーマルシステムズのターボ冷凍機 JHT-Y75I(700冷凍トン)×3台のみの場合と、これらにエネコンダクタを導入した場合の比較。
注 2:1次冷温水ポンプまたは冷却水ポンプを、ターボ冷凍機などの熱源機に個々に配管で接続して冷温水または冷却水を供給する方式。
注 3:1台ないし複数の1次冷温水ポンプまたは冷却水ポンプを、共通配管で集合させたのち複数のターボ冷凍機などの熱源機に分岐させ、必要に応じて冷温水または冷却水を供給する方式。

 画像:熱源総合制御システム「エネコンダクタ」のイメージ図

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