●年頭所感 コマツ(登記社名:株式会社 小松製作所) 小川 啓之社長

 謹んで新年のご挨拶を申しあげます。

 昨年は、日本国内において、台風19 号をはじめとするさまざまな災害が発生し、多くの被害をもたらしました。被害により亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申しあげるとともに、被災された皆さまに衷心よりお見舞い申しあげます。一刻も早い被災地の復旧を心からお祈り申しあげます。

 昨年の建設・鉱山機械市場は、日本や北米を中心とする伝統市場においては需要が堅調に推移しましたが、中国やインドネシアを中心とした戦略市場において需要が想定より減速しました。米中貿易摩擦などの外部環境は、依然不透明な状況が続く見通しです。

 このような状況下、コマツは、2021年の創立 100 周年とその先の成長を目指し、昨年4月より2022年3月期をゴールとする3カ年の中期経営計画「DANTOTSU Value FORWARD Together forSustainable Growth 」をスタートしました。成長戦略3本柱として、①イノベーションによる価値創造、②事業改革による成長戦略、③成長のための構造改革を掲げ、収益向上と ESG の課題解決の好循環による持続的成長を目指し て 活動を進めています。

 「イノベーションによる価値創造」の重点項目の一つである、無人ダンプトラッ ク運行システム(AHS)については、昨年、資源大手の豪州BHP社およびブラジルVale 社より受注した超大型ダンプトラックの着実な導入とともに、トレーニングやサポートの提供に向けて、2020年も活動を進めていきます。また、スマートコンストラクションについては 、 これまでに国内において 9,500を超える現場に導入しておりますが、2020年4月に、既存の従来型建設機械に ICT 機能を提供するレトロフィットキットの市場導入を予定しております。また、海外においても、米国やドイツ などで スマートコンストラクションのパイロット導入 を進めており、2020 年も 建設現場のデジタルトランスフォーメーションのさらなる加速を目指していきます。

 「事業改革による成長戦略」 については、 重点項目 の一つ である 次世代 KOMTRAX の開発を進めており、2020年度の導入開始を予定しています。次世代 KOMTRAX 導入とともに、延長保証プログラムの充実やキーコンポーネント戦略などの活動も進め、バリューチェーンビジネス強化に注力していきます。

 コマツは今後も「品質と信頼性」を追求し、安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場の実現を、お客さまとともに目指してまいります。

 最後になりましたが、皆さまにとって 素晴らしい1年になりますように、心より祈念いたします。

 コマツHP