大王製紙、生産設備(三島工場N7号抄紙機)の改造とクラフト紙への品種シフトを発表

 大王製紙は11月19日、洋紙の製造設備であるN7号抄紙機を2019年10月に停機し、2020年4月再稼動の予定で需要減少が続く印刷・情報用紙から輸出も含めて需要が堅調な板紙、クラフト紙に品種シフトすると発表した。(大王製紙の主要拠点

 大王製紙では、多様なパルプを活用して複数の紙・板紙が生産できる三島工場(愛媛県四国中央市)のスイングマシンの特性を活かし、これまで市場の需要動向の変化に対応してきた。今回の品種シフトは、需要が堅調なクラフト紙に品種シフトする取り組みの一環。

 三島工場は世界最大級の臨海製紙工場で、あらゆるパルプ、紙・板紙を市場のニーズに応じて生産できることが特徴。今回、市場の需要構造変化に対応するために、洋紙マシンであるN7号抄紙機を板紙マシンに改造するとともに、三島工場のフレキシブルな生産体制を活かして、需要の堅調なクラフト紙の増産(N1号抄紙機)にも繋げる。一方、子会社である大成製紙の板紙マシンを停止することで生産・販売バランスの調整を行う。

 板紙とクラフト紙の増産分は、需要が旺盛な中国をはじめとするアジア諸国への輸出販売を強化し、国内の需給バランス維持と収益性の向上に努めていく。

 なお、需要減少が進むメディア用途の紙(新聞、印刷、情報用紙)については、販売に見合った生産体制とする。従来通り顧客への安定供給体制を維持していくことに万全を期していくとしている。

<転抄設備の概要>

対象設備:三島工場 N7号抄紙機(洋紙生産能力:月産11,000トン)

対象品種:印刷・情報用紙から板紙への転抄

改造期間:2019年10月停機、2020年4月再稼動(6ヶ月間設備停止)

 ニュースリリース